(from diary) Dec. 17, 1991, Tue, kurimaphiri
Murina宅に寄ると、Mwachiduduの娘とMurinaの妹(Mwanzaの妻)が来ており、Murinaの兄Berocha(2週間前にCoastGeneralHospitalに入院)の容態が思わしくないと告げに来ている。Berochaには妻もすでに死んで、子供もいない。下痢とkuphaphika1で入院したが、今は意識不明で下痢が続いている。MurinaとChariはmariakani2までのバス代がたりないのだが、今日のugangaでなんとかなるだろうという。先日Mwalimu duniaのnyungu3を据えたMejumaaのところに mudurumaのnyunguを据えに行く予定だった。この間、あれこれありすぎてのびのびになっていた。muranzeは容易に手に入らないため、すでにあるストックからもっていく。muphingo、muzala、muvumoについては途中で根を掘り出す。 Mejumaaは頭がおかしくなっており、chariに会って声を聞いてもわからない。私に対しても誰だといい、カリンボだと応えると、兄弟だと言って、自分の苦しみをしきりに訴えてくる。どうも誰かと勘違いしている様子。nyunguをすえて、Chariは20シルを受け取る。ちょうど治療を終えたときに、Bemurezi氏がやってくる。utsai系の施術師で,majine5に関する治療を平行して行う模様。 (中略) Murinaたちは、明日ただちにMariakaniに向けて出発するつもりらしい。Berochaの重態の知らせに、思いがけない出費に見舞われChariたちはあたふたしているわけだが、それでもしかるべき義務を果たそうとしているところがえらい。 MurinaがこれまでBerochaの見舞いに行かなかった理由は、Mwachiduduの娘に対してMurinaがしていた説明によると、makushekushe6に関係している。BerochaはMurinaの恋人(彼が寝た女性)を奪って妻にした。MurinaはBerochaに対して、彼女と結婚してはいけない、私がすでに寝た女性だから、と言って止めたのだが、Berochaは耳を貸さなかった。Berochaはまた兄の恋人とも寝てしまっている。兄弟が誰かと関係を持つと、その後を追う(その相手を自分の者にしてしまう)のがBerochaの若い頃の振る舞い。このためMurinaが見舞いに行くと、その場でBerochaは死んでしまうだろう。Vanda7で治療しmapande8またはpingu9をBerochaに与えてからでないと見舞いにいけない。Berochaのkuphaphika1、kufyoka10もchitiyo11のせいだと見られている。 一昨日昼夜ぶっ続けのkayamba2連発をこなしたかと思ったら、昨日は例の妖術告発含みの法廷闘争、そして今日の突発的事態、私もクタクタだが、Murinaたちはそれどころじゃない。20日のMunyaziのngomaには間に合わないだろうな。私一人で行くか。
Nov.28に世界導師(mwalimu dunia12)の鍋を据えた、頭痛と盲目に苦しむMejumaaに約束していたMudurumaの鍋。予定からたびたびの延期となったが、ようやくこの日実現。Mejumaaの症状はさらに悪化しているように見えた。
Nov.28, 1991同様、MurinaとChariの夫婦。
(1991年12月17日のフィールドノートより) 例によってフィールドノートをほぼそのまま転記したテキストをそのまま貼り付ける。 フィールドノートそのものの記述に手を加えないため、現地語なども注釈の形で補足説明することにしている。(DB...)は後にフィールドノートに紐づけた書き起こしテキストの、該当箇所を示す番号。植物名の同定はフィールドではできず、文献に基づく事後的な補筆である。今回のフィールドノートの記述は簡単なメモ程度
【nyungu ya muduruma】(for Mejumma) (DB 4614-4631)
nyono16を数粒nyunguに
muphingo(Dalbergia melanoxylon) mudzala(monanthotaxis trichocarpa, fornicata) muvumo(Premna chrysoclada) ....以上3つ、来る途中に根をkutsimbaして用意 murandze(Dalbergia boehmii)... すでに採ってあったもの
先日 duniaのnyunguを据えたMejumaa 今日行くと、またkulaga17で泣く Chariを認知できない...認知症? わけのわからないことを喋る
nyungu をkujitaする人の危険 ドゥルマ語テクスト については Nov.28のノートも参照
4614 (muphingo(黒檀)の根を掘り出すための唱えごと)
Chari: 私はあなた草木とお話します。あなた草木は(ただの)草木です。黒檀です。でもあなたは憑依霊の草木です。それも他ならぬドゥルマ18人の草木です。私はあなたを盗んではおりません。盗んではおりません。私自身が病気に捕らえられ、ついには癒やしの術(uganga24)が外に出てまいりました。その癒やしの術はバンジュさん(Chariの最初の施術上の父)によって示してもらいました。その後、再び病気になりました。というのも私はムルングについて外に出してもらっただけだったからです。病気が戻ってきました。なんと、あなたドゥルマ人だったのです。あなたカシディ20です。..<よく聞き取れない部分あり>..私は草木を他の誰かによって与えられたわけではありません。他ならぬフピ・ンゴメさん(Chariの2番目の施術上の母)によって与えられました。私はドゥルマ人(による病気)を治療しました。それも、とても多くの人を治療いたしました。 今こうして、私はあなた草木を掘り出そうとしています。草木とはあなた黒檀です。私はメジュマーのためにあなたで治療いたします。こうして私が行ってメジュマーに鍋を据えてあげたら、あの子供がもっているところの(すべての)病い(maradhi)が治るように、と断定いたします。彼女が、死を語ることはもはやありません。頭痛も二度とありません。ええ、そう私は欲します。もしメジュマーが実際にドゥルマ人を持っているのであれば!そして、私がここで根を手に入れるうえで、なんのトラブルにも遭いませんように。
4615 (完成した鍋についての唱えごと)
C: さて、私はお話しいたします。このような時間にお話するつもりはありませんでした。さて私がお話しするのは困窮についてです。困窮とはこの者メジュマーの困窮です。困難と難儀に苦しんでいる者です。憑依霊ムルング(mulungu25)の方々も、憑依霊アラブ人(p'ep'o30)の一族もそこに関係しています。ムルングのお仲間の方々の問題がいったいなぜなのか、私たちにも今はわかりません。私は鍋についてお話します。あなたムルング子神(mwanamulungu31)にお話しするのです。 私はお祈り(お願い)いたします。北の皆さま(a kpwa vuri)に、南(a kpwa mwaka)の東(mulairo wa dzuwa)の西(mutserero wa dzuwa)の皆さまに、ブグブグ(bugubugu32)の方々、ニェンゼ33の小池の方々に。私はまた、子神ドゥガ(mwanaduga34)、子神トロ(mwanatoro35)、子神マユンゲ(mwanamayunge36)、子神ムカンガガ(mwanamukangaga37)、キンビカヤ(chimbikaya38)、あなたがた池を蹂躙する皆さまに、そして子神ムルング・マレラ(mwanamulungu marera39)、そして子神サンバラ人(mwana musambala40)とともにおられる子神ムルングジ(mwanamulungu mulunguzi41)、皆さまにお祈りいたします。ですが、私がお話するとしたら、砦42の主であるあなたムルング子神とです。私たちはこの子の病気のわけのわからなさ(chitai)に、ただただ驚いております。(妖術使いによって)投げつけられたムハッソ(muhaso薬)のせいだろうか、でも全然違いました。 そもそも、私たちが最初に驚いたのは、この者の目の問題でした。まだ未熟のカシューナッツの実のような子供(まだ盲目になるような年齢にはほど遠い)なのに、目が全然見えないなんて。誰か(知り合い)がやって来ても、彼女からどなたですかと尋ねられることになるなんて。
4616
C: さて、私は鍋をお置きします。この鍋は他の誰のものでもありません。この子供は長い年月のあいだ病気でした。彼女が夫のもとで暮らしていたときです。私はあなたカシディの鍋を置きに行ってまいりました。 彼女を扇いだ(ku-mupunga 彼女のためにカヤンバを開いた)こともあったと思います。そこで彼女に瓢箪子供(mwana wa ndonga27)を授けました。その瓢箪子供は、私は正しく差し出しました。正しく差し出したのち、私がその瓢箪子供に問題があるのを最後に見たのは、まだそれが(彼女の夫の)屋敷にあったときです。私がそれを最後に見たとき、それは香料(mavumba29)を買ってやる必要がありました。瓢箪子供に香料を買って入れてやらねばならなかったのですが、香料はついに買えなかったというのです。なんとその時以来、香料は買われることなく、瓢箪子供はすっかり固くなってしまったまま。今日にいたるまで。その過ちが起こってから今年でもう4年目です。瓢箪子供はいまや、油(瓢箪子どもの血とされる)も切れ、香料(瓢箪子どもの内蔵とされる)も切れた状態です。 さて、今私は鍋をお置きします。私は困窮の鍋を置きます。
4617
C: 今こうして私は鍋をお置きします。あなたカシディの、あなたドゥルマ人の、内の問題も外の問題もご存知だという、あなたカルメンガラ(kalumengala19)の、皆さまの鍋を。もし本当にあなたのせいだったのなら、あなたドゥルマ人よ、私はあそこに座っているあれなる者を、立ち上がらせてください。目がみえるように、自分の脚で外にでられるように。どうして彼女はこのような窮状にいるのですか、私の兄弟の皆さまがた。あの病人は、突然こんなに苦しむようになりました。おまけに健康だった者たちまで、突然、苦しみ始めています。いったいどうしてですか? もしこの者が、自分で稼ぎに行けるだけの体力を得たなら、稼ぐということ。施術師たちにあたえるもの(報酬)を稼ぐということ。病人もそうした余力を与えられたら。もし病人がおかゆをしっかり食べ、病人でも良く「売れる」ようになります。 病人が自分で外に出ます。どうしてあなたは健康な者たちまで縛ってしまおうとするのですか。今、今日、私は鍋を置きます。この鍋は他の誰のものでもありません。あなたカシディ、あなたドゥルマ人の鍋です。
4618
C: あなたは、サカケ(Sakake 地名)出身か、ニョンゴロ(Nyongoro 地名)出身か、ゴブォ(Gpho 地名)か、ルカカーニ(Lukakani 地名)か。あなたがルカカーニの方なのか、ニョンゴロの方なのか、どこの方なのか、キザヤ(Chidzaya 地名)の方なのか、私はあなたのことは存じません。でもあなたはそちらで大仕事をされ、こちらにいらっしゃる途中でも、サボテンやミドリサンゴの木を上手に切り開き、とうとうジュマーさんの一族とお出会いになりました。そこの踊り広場で踊り、メジュマーをお見初めになった。ですが今、メジュマーは、道を迷い歩き始めました。道を迷い歩き、世界を放浪し、この世を彷徨する。どこにいても、ここは私の場所じゃない。眠ることも出来ず、食べることも出来ず、座っていることもできない。皆さま! どうして?驚き呆れるしかないじゃないですか?この悲しみは、いったい何なんですか? こうして私は鍋をお置きします。そしてこの鍋が、さあ、病気を取り除いてくれることを望みます。そもそもあなたはこうしたことを引き起こすことがお出来です。人に(痙攣して)脚をつっぱらせたり、気が変になったような物言いをさせたり、ムルングの話をさせたり。
4619
とりわけ頭痛です。身体を太らせる。まずは身体をほぐしてやることから始めてください。そして目が見えるように。頭痛が去るように。どうか御主人様、私たちはあなたの足元に身を投げ出しております。もしあなたカシディのせいなら。 (唱えごと終了) ..... C: ...憑依霊アラブ人43がいたとしてもね。でもなにか邪魔をしているものがあれば。 Woman: お座りください。お母さん(Mejumaaのこと)が、なにか言いたいことがあるんですって。あなたに。 Man: 途中で座っているわけにはいかない。これからすぐにモンバサに向かうんだ。彼女は彼女の病気といっしょにここに置いていかせてよ。 Mejumaa: あんたの夫はなんて言ってるんだい? W: あなたを残してモンバサに行くんだってさ。メコザも実家に行くって。チャカの母も来ないって。だって、あなたの性格が強情だって知ってるから。だって、あなたって強情な人だもの。「来て、私に何ができるっていうの」だって。テキパキやってもらえるのは誰だろうってよく考えないと。テキパキやってくれるのは彼だけど、彼はもう出発しちゃうし。 C: 私は自分の鍋を持ってきたんだよ。この鍋は寝てばかりいる人とは合わないんだ。
4620
Mej: なんの料理を作ったの?ウィフィ(wifi兄弟の配偶者とその姉妹、姉妹の配偶者の姉妹)は何の料理を作ったの? W: 野草のスープ、ワリ(wariトウモロコシ粉を熱湯で捏ねたもの)といっしょに、お母さん(チャリのこと)とお食べ。どう? Mej: 私はここから外までとどくほどのワリを頂いたよ。 W: ここから外までだって? W2: 今みたいにお母さん(チャリのこと)に会って、ワリを置いてもらったら、こちらの紳士(浜本のこと)とお母さんといっしょにしっかり頂きなさいな。 Mej: ねえ、ねえ、私、ここから外までくらいの山のようなワリをすでに頂いたわ。 W2: その料理してもらったワリとやら、こちらのお母さんは見てませんよ。今、与えられるのよ、でしょ。お母さんと一緒にお食べ、お母さんがあなたが食べるところを見られるように。 Mej:(ここからスワヒリ語で)(浜本に向かって)お聞きしますけど、あなたはどなた? H: 私はカリンボといいます。 Mej: おお、じゃああなた私の兄弟よ。
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H: 私のことを覚えてるんですか? Mej: ああ、ごめんなさい。私痛いのよ、お兄ちゃん。 H: お気の毒に、お気の毒に。きっと良くなりますよ。 Mej: 頭が痛いの。頭に蛆虫が入り込んだのよ。私の頭、蛆虫に入りこまれたのよ、お兄ちゃん。ここにいるお父さんとお母さんに、蛆虫が私を殺そうとしてるって言いたかったの。二人が来たら、きっと蛆虫を取り除いてくれる。もし二人が嫌だと言ったら、私はここには住まないわ。お母さんのお家に行って蛆虫を取り除いてもらうわ。お母さんがわたしをおんぶしてくれる。疲れたら家に着くまでお父さんに代わってもらう。 Chari: たしかに。私たちは人を背負いたくない。私たちが求めているのは、あなたが自分で歩いていくこと。一緒に家まで行くことはいいのよ。でもあなたには自分の脚で行ってほしいの。 Mej: じゃあ、蛆虫を取り除いてちょうだい。そうすれば私は歩いていけるわ。でも蛆虫がいたら、どこに着けるっていうの? C: あんたが行くところが蛆虫がいるところさ。だって蛆虫は頭の中にいるんでしょ。
Mej: あんたたちがそんな風に始めるなら、私は出かけることも出来ないわ。頭全体が針だらけ、心臓はふっとばされる。(ここまでスワヒリ語) C: さて、私はドゥルマ語でお話します。ここにはもうイスラム教徒はいません。さあ、すすってごらん。ヒマの油(nyono)だよ。どうだい?さあ、それまで。じゃあ、お前に唱えごとをしよう。寝たらダメだよ。 (締めの唱えごと開始) プッ(唾液を吹きかける)。さて、私はお話します。こんな時間にお話するつもりはありませんでした。おだやかに、おだやかに世界の住人の皆さま。こんな時間にお話するつもりはありませんでした。私はあなたムルング子神にお話しいたします。あなたムルング子神こそ砦の主です。なんと、お客人がおられるかもしれませんが、そのかたたちもあなたの子供たちです。わたしたちは彼らにまだお会いしてないだけです。砦は壊されています。私たちは驚き呆れています。するべきことは何もございません。どうしてでしょう。何が悪かったのでしょう。私はあなたがたにおしずまりくださいと申します。私はお祈り(お願い)いたします。北の皆さま(a kpwa vuri)に、南(a kpwa mwaka)の東(mulairo wa dzuwa)の西(mutserero wa dzuwa)の皆さまに、ブグブグ(bugubugu32)の方々、ニェンゼ33の小池の方々に。私は皆さまに、おだやかにと申します。
4623
C: 私はまた、子神ドゥガ(mwanaduga34)、子神トロ(mwanatoro35)、子神マユンゲ(mwanamayunge36)、子神ムカンガガ(mwanamukangaga37)、キンビカヤ(chimbikaya38)、あなたがた池を蹂躙する皆さまに、どうかおだやかにと申し上げます。そして子神ムルング・マレラ(mwanamulungu marera39)、そして子神サンバラ人(mwana musambala40)とともにおられる子神ムルングジ(mwanamulungu mulunguzi41)。私がお話しするとすれば、それは病気のためです。 おだやかに、ジャビジャビ(Jabijabi)の池の方がた、ングラとングラ(ngura na ngura44)、お母さんの場所ゾンボ(Dzombo45)、ムガマーニ(Mugamani46)のサンブル(Samburu、地名)で争っておられる皆さま、ンディマ(ndima47)を見ようと、皆さまが家に帰ると、なんとポングェのカヤ(kaya Pongbwe48)が壊されている。それは皆さまがた(憑依霊の皆さま)のせいだというのです。どうかおだやかに。 おだやかに、あなたムルング子神、ペーポー子神(mwana p'ep'o)、バラワ人(mubarawa49)、サンズア(sanzua50)、バルーチ人(bulushi51)、ムクヮビ人(mukpwaphi52)、天空のキツィンバカジ(chitsimbakazi cha mbinguni53)、池のキツィンバカジ(chitsimbakaza cha ziyani)、地下のペーポーコマ(p'ep'o k'oma54)、ガラ人(mugala55)、ボニ人(muboni56)、ダハロ人(mudahalo57)、コロンゴ人(mukorongo58)、コロメア人(mukoromea60)、ドゥングマレ(dungumale63)、ジム(zimu64)、キズカ(chizuka65)、スンドゥジ(sunduzi66)、ドエ人(mudoe67)もごいっしょに。あなたドエ人、またの名をムリマンガオ(murimangao68)。あなた奴隷(mutumwa69)、またの名をンギンドゥ人(mungindo59)。 皆さまのあいだには、あなたデナ(dena70)とニャリ(nyari71)、キユガアガンガ(chiyugaaganga74)、ルキ(luki75)、ムビリキモ(mbilichimo22)、カレ(kare91)とガーシャ(gasha92)、レロニレロ(rero ni rero93)、あなたマンダノ(mandano23)、あなたプンガヘワ(pungahewa98)子神。
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C: あなたディゴ人(mudigo99)も、あなたイキリク(ichiliku96)とごいっしょにおられます。皆さまにおしずまりくださいと申します。 あなた、ゴロゴシ(gologoshi100)、またの名をンガイ(ngai101)。ンガイまたの名をカンバ人(mukamba102)、カヴィロンド人(mukavirondo62)、マウィヤ人(mawiya103)、ナンディ人(munandi61)、ムマニェマ人(mumanyema106)。皆さま方におしずまりくださいと申します。 あなたジネ・バラ・ワ・キマサイ(107、私は皆さまにおしずまりくださいと申します。 私はおしずまりくださいと申します。あなたライカ(laika76)、ライカ・ムェンド(laika mwendo79)、風とともに進むライカ(laika mwenda na upepo)、ライカ・キグェンゴ(laika chigbwengo108)、ライカ・ムカンガガ(laika mukangaga37)。ライカ・ヌフシ(laika nuhusi109)もいます。あなたヌフシ、またの名をパガオ(pagao110)、そのまたの名はあなたムズカ(muzuka77)。ライカ・ムァニョーカ(laika mwanyoka83)、ライカ・マフィラ(laika mwafira82)、ライカ・ズズ(laika zuzu111)、ライカ・ドンド(laika dondo85)、ライカ・ムユユヒコ(laika muyuyuhiko 不明)、ライカ・マジャロ(laika majaro112)。 御主人様、私たちはあなたの足元に身を投げ出しています。争いはございません、私の兄弟の皆さま。どうしてわたしたちは、異様なこと(chitai)に驚いているのでしょうか。人間は痛み苦しむものです。そのとおりです。でもちょっと御覧ください。この者の身体をあなたがたは、まるでバオバブの木(muyu)やガンジ(ganziサボテンの一種)のように肥大させておしまいになった。どうしてですか?
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C: そして今や目も見えない、頭痛は耐えられないほど。皆さま方は目も殺してしまわれた、脚は地面を踏むこともできない。なにもかもできない。どうしてですか。あらゆることができない。何が悪かったというのですか。 もし何かを欲してらっしゃるのなら、お告げになれば、調えて差し上げられるのですよ、私の兄弟の皆さま。憑依霊(nyama)なのでしょうか、兄弟の皆さま、それとも別の問題なのでしょうか。憑依霊(p'ep'o)は人と同じ、語りきかせれば、聞き届けるもの。憑依霊(nyama)は血(milatso)、話されれば耳を傾ける。この者を、あなたがたがこんな風になさるのは、いったいなんというひどい仕打ちでしょう。それにこの者は、あなたがたDzombo山の一族45なんですよ。さて、もしなんと癒やしの術(uganga)を皆さまが望んでいらっしゃったんだとしても、だからその人がひどい目にあうんだという。そうなんですか?さあ、ご覧ください。今や稼ぎ手自身がびっくりしてしまっている。稼ぎに家を発つこともできない。だって自分が出発したら、すぐに呼び戻されるとわかっているから。 ねえ、この者に光を与えてください。光とは何?彼女自身が外に出て、たとえそれが火付け用にしかならない細切れの薪だったとしても、自分で採って来れるように。外に出て、陽の光にあたることができるように。
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C: でもこの脚です。もし人の手を借りて外に出してもらうような状態だったら、どうやってお金を手に入れようと言うのでしょう。もしかして皆さま方が何かを調えてもらいたがっていらっしゃるとしても、どんなふうにして調えてもらえるというのでしょう。ねえ、憑依霊(p'ep'o)は語り聞かせれば、聞き入れるというものです。今、どうか御主人様、(この病気が)もし本当にあなたのせいだというのなら。私はあなたに、おしずまりくださいと申します、私の兄弟よ。さらに皆さま方全員に。 そこにいらっしゃる、あなたがたイスラム教徒の皆様、ペンバ人(mupemba113)、ロハニ(rohani116)、アラブ人(mwarabu43)、コーラン導師(mwalimu kuruani117)、あなたジキリ(zikiri118)、ジキリ・マイティ(zikiri maiti119)、ジキリ・マウラーナ(zikiri maulana120)、ジネ・バハリ(jine bahari121)、皆さま全員、どうか私の兄弟の皆さま。どうかお聞き届けくださり、この者と仲直りなさってください。いったいどうしてこの神の奴隷を、皆さまなこんな風に扱われるのですか。皆さまは、耐えようのない苦しみをこの者に与えておられます。何が悪かったのですか、あなたがたに何をしたというのですか。あなたがたが要求した何を、この者がはねつけたというのですか。どうか御主人様方。私は皆さま方に平安をおねがいしているのです、私の兄弟の皆さま。 (ドゥルマ人をターゲットにした唱えごと) 私は鍋を差し出します。鍋は誰のものですか?鍋はカシディのための鍋です。カシディはドゥルマ人、内の問題も外の問題もご存知だというあなた。
4627
C: 頭を捕らえ、耳を捕らえ、脚を捕らえる。でも私はあなたに鍋を差し上げます。この鍋は約束していたものです。鍋の約束はずいぶん以前にいたしました。そして今、鍋はこれ、薬(煎じ薬)がこれ、そして薬液(vuo122)がこれです。私は、今日こうして去ろうとしています。家に参るのです。この鍋はお置きします。私はつつがなきことを望みます。 頭のことを聞くのはもう嫌です。蛆虫が頭の中を動き回っていると言われるのも嫌です。そんな話は聞きたくありません。今日、頭を解き放ってください、蛆虫ももう終わりにしてください。そして目が見えるように。私を凝視しているのに、実は目が見えていない、それは、なしです。 御主人様、もしかしてあなたがた憑依霊(p'ep'o)が仕事を欲しがっておられるというのなら、あなたがたに差し上げます。私が懇願しているすべては、この者が外へ出られること、この者が。そして目が見えること。なぜ、あなたがたはこの身体を、あたかも身元不明の誰かのように、しておしまいになるのですか。
4628
C: いったい何を食べたら、身体がこんな風になってしまうのか。あなたドゥルマ人なら、こうしたこと、人をバオバブのように太らせてしまうことが、お出来です。もうやめて、御主人様。第一に、もしかしたらあなたがたが、して欲しがっておられる別のことがあるのかもしれません。でも今、私は何もいたしません。この鍋の湯気を、この鍋が尽きるまで彼女が浴び、彼女が自分の脚で外にでられるようになる。そうすれば私も(その問題を調える)力を出すでしょう。蛆虫の問題は、今日、なくなりますように。頭痛も去りますように。 御主人様、さあ、おしずまりください、私の友達よ。御主人様、御主人様、御主人様、私はおしずまりくださいと申します。私があなたを罵倒しているとはおっしゃらないでください。これは罵倒ではございません。 人間にくわえられるひどい仕打ちが、続きました。ごらんなさい。健康な者たちまで、苦しめられ始まりました。人々みなが、あなたを見ているのです。誰がお金を稼いでこれると言うのでしょう、あなた。私は今、ワリ(トウモロコシの練粥)を皆が食べられることを願っています。 (唱えごと終了) Mej: 私はたくさんたくさん食べたわ。 C: (冗談めかして)私はワリを皆さんに食べてほしいね。あんたがさっき言ってた、「私はここから外まであるくらいのワリを与えられた」って、あれだよ。
4629
Mej: 私は朝ここでたくさんワリをもらったわ。ここから外に届くほどまでの。でね、私たちは3人で食べたんだけど、いっしょに食べてた人はみんな途中でお手上げ、私が一人で残り全部を食べたのよ。 C: あんた一人で食べきったの? Mej: 一人で食べきったわ。休み休み。それからムションボ(トウモロコシの粒を他の食材と混ぜて茹でたもの)ももらったの。キャッサバと落花生が混ざったやつ。ここからあそこまで届くほどの山のような。私は同じように食べたわ。もう食べ切れないほど。お腹に潰瘍ができるほど。でも満腹したわ。どうしてここドゥルマの地は、食べられてしまうの、なんてこと!ここに一人女の人がいてね、朝料理を始めて、ずっとどこにもいかずに料理してるの。 C: 日が暮れるまでそんな風にずっと料理しているのね。 Mej: 料理しては差し出し、の繰り返し。あの人自身、おなじように食べているのか、私わからないわ。どうしてるんだろ。 C: さてね。その人が食べているにせよ、食べてないにせよ。あんたは食べるだけ。 Mej: ときどき、彼女は私の心を悲しませるのよ。あんた。
C: 彼女がお前の心を悲しませるって?ああ、あなたのために料理して、自分も食べるって、その人は別に悪くないよ。 (突然唱えごとを再開する) C: でも私が欲しているのは、つつがなきことです。今、私はあの脚が地面を踏みしめるように。あの脚が、歩いていくように。でも私が望んでいる最も大きなことは、もう一度、問題を調えにやって来ることです。でも、あの脚がちゃんと地面を踏みしめるのを見るまでは、私は二度と何もしません。あの目がちゃんと見え、脚の問題をもう耳にすることがなくなりますように。 (唱えごと終了) Mej: じゃあ、このままほっておいて。私は健康よ。 C: じゃあ、ほっておきましょう。まる三日がすぎて、やって来て、蛆虫が相変わらずで、脚で外に出られないのを見たら、私はこの私の鍋と、私の薬液と、私の薬をとって、頭に載せ、持って立ち去りましょう。家に帰って、ほんとうに二度と戻りますまい。 Mej: わかったわよ、あんた。でもワリを料理しているから、それをまっててちょうだい。
Chari: 粉(vidzunga= dim. of unga; ここではドゥルマの香料mavumbaのこと)はある? Murina: 火に注いで。 W: この粉を火に入れるの? C: そう。数える葉っぱは持ってないよ。(鍋の口を)覆ってちょうだい。あなた、鍋の煮方をすでに知っている人なのでは? W: はい、煮方は知ってます。でもそもそも、彼女が鍋を煮る役なんです。 W2: あなたたちのお母さんね、あちらにいる。でも、私たちは迷子になった(そうしたことをもう知らない)者です。 Mej: みんな居なくなっちゃうの、って聞いてるのよお。 W: ああ、私は居なくなりませんよ。ここにいます。でも規則そのものとしては、鍋を置く適格者は、彼女なのですよ。だって、私が困難に陥ったときにも、彼女に煮てもらわねば。私も以前はこうしたことは知らなかったんです。で、私が煮る役目にされて、そのせいで(私自身が)病気になったんですよ(文字通りには、その人たちが私に病気を注ぎ込んだ)。 C: あんたがお母さんのために煮てあげたの? W: そうなの、すっかり全部。私は当時(やり方を)知らなかったし、施術師も私に何も言ってくれなかった。最初から最後まで全部(煮るのは)私がやったの。 C: 何ももらわずに?(鍋を置いてもらう患者自身が、鍋を煮ることができない場合は、鍋を煮る係の者にryale(1234シリングまたは8シリング)を支払わねばならない。さもないと憑依霊が誤解して、鍋を煮る係を病気にしてしまう) W: おかげで、それが終わってから、私はまる一ヶ月、小屋の中に覆われていました(病に臥せっていた)。