(from diary) Nov. 8, 1991, Fri, kpwisha
今日は5時30分起き。一人で朝食をとり、6時30分にMurina宅。Murina, Chariとともに7時にキナンゴに。キナンゴのUmazi(Tushe)のngomaを前にして、muduruma1のnyungu7(12日間)を据えに行く。あまり期待していなかったのだが、結構面白かった。
トゥシェ(本名ウマジ)は、1990年にChariとMurinaの治療を受け彼らのmwana wa chigangaになった。少女の頃からしばしば発狂(kpwayuka)9を繰り返し、彼女の母系の祖先のugangaの継承が求められていると指摘されていたらしい。すべては配偶者を得るのを待ってからということで憑依霊たちには説得が続けられていた。結婚したものの、夫はキリスト教徒で憑依霊の問題にはまったく関心がなかったため、その後も腹部の不調に苦しみ、子供にも恵まれず、問題解決は遅れに遅れ、約束を守られなかった憑依霊たちによって症状はますます深刻なものになっていた。やがて彼女の母がなくなり、トゥシェにそれなりの遺産(ウシなど)を残した。占いで再び身体の不調が憑依霊によるもととされ、Chariによる憑依霊の「鍋」治療を(自分自身の稼ぎで)受けて軽快したことがきっかけで、彼女はChariの施術上の子供となった。そして母の遺産のウシを処分して資金をつくり、Chariのもとで憑依霊の施術師として「外に出される」ことになった。夫も、それを黙認した。
しかし彼女を「外に出す」10ンゴマの日程は、その後何度も変更・延期されることになる。Chariの都合もあったが、多くはトゥシェ自身の身体症状の悪化のせいだった。度重なる身体症状の悪化は、結局、彼女の施術師就任を妨害しようとしている妖術使い(名は挙げられていないが、彼女のキナンゴの町の隣人の一人らしい)によるものだとわかった(占いの結果)。その妖術使いは「薬muhaso」に命じて、彼女の体にいる憑依霊たちが彼女の「頭を揺らす」ことで彼女を癒やしの術に導くかわりに、彼女の「身体をゆらし」てしまい彼女を病気にするように変えてしまったのだと。そこで彼女の身体の中にやってきている憑依霊をいったん元いた場所に返して、妖術使いがその「薬」に対して発した(とされる上記の)命令を上書きし、その後で憑依霊たちを再度「鍋」によって招待しなおすという、妖術返し(kuphendula)が行われた。そして「招待の鍋」がChariたちによって据えられた。それがうまく行けば、その1週間後にンゴマが開かれるはずだった。
しかし、この「鍋」は散々な結果に終わった。「鍋」を始めるとすぐ、彼女は激しい嘔吐と下痢を繰り返し、ついには食事も喉を通らなくなってしまった。当惑する人々。しかしChariが症状から判断して、試しに憑依霊ドゥルマ人の草木を飲み薬(mihi ya kunwa)として与えたところ、なんとトゥシェはみるみる快方に向かったのである。先の「鍋」失敗の原因がトゥシェがもっている憑依霊ドゥルマ人(とりわけ女性のカシディ)が、他の憑依霊たちを招待する「鍋」を嫉妬して妨害したことにあったと見たChariは、まずこの憑依霊のための「鍋」を先に与えてカシディを満足させようとした。ンゴマは再度延期し、ドゥルマ人のための「鍋」(これは12日間かかる)をまず終えて、その後に「招待の鍋」をもう一度置き、そしてンゴマの日を迎えるという日程になった。
ここでの唱えごとを聞くと、言葉遣いは丁寧ながら、この邪魔ばかりするドゥルマ人をほとんど罵倒しているようにすら聞こえる。幸い、このドゥルマ人の「鍋」が功を奏し、ンゴマは1991年11月22日深夜から無事に開催された。
施術師にとって、弟子(mwanamadzi[^mwanamadzi])を「外に出す」ンゴマは、他のンゴマ(カヤンバ)にはない特別な重要性がある。そこでは自分の能力と、弟子の能力がともに試されることになる。施術師にとっていやでも気合の入った特別なンゴマなのである。その気合は、この「鍋」での彼女の持ち霊でもあるカシディに対しての唱えごとの中に、はっきり見て取れる。それはカシディとの真剣勝負なのである。
今回の鍋は、MurinaとChari夫妻によって据えられた。本番のンゴマを主宰するのは女性施術師chari、男性施術師にはムルング、ドゥルマ人、世界導師を持ち霊とするチャイ(Chai)氏が予定されていたが、チャイ氏は当日参加で、本番に先立つ鍋の設置はすべてMurinaとChari夫妻によってなされている。
(1991年11月8日のフィールドノートより) 例によってフィールドノートをほぼそのまま転記したテキストをそのまま貼り付ける。ナンバリングはフィールドノートにおけるもの。フィールドノートそのものの記述に手を加えないため、現地語なども注釈の形で補足説明することにしている。(DB...)は後にフィールドノートに紐づけた書き起こしテキストの、該当箇所を示す番号。植物名の同定はフィールドではできず、文献に基づく事後的な補筆である。
07:00 キナンゴのUmaziのために12日間のnyungu ya mudurumaをkumit'a11
ここまでの経緯 mulungu12 7日間 (done) arumwengu18 osi 4日間(done but failed) muduruma 12日間 mizi miphuphu19 arumwengu18 osi 4日間
【mudurumaのnyungu】
(1) ptu20とともにnyono17の実を数粒nyunguに入れる
同様にvuoにもnyonoの実を入れる
(2) nyungu に入れるのは以下の木の根
muphingo(Dalbergia melanoxylon アフリカン・ブラックウッド)
mudzala(Monanthotaxis fornicata Parkia&Cooke2003による)
muyama(Croton pseudopulchellus Parkia&Cooke2003による)
murandze(muranze)(Dalbergia boehmii Parkia&Cooke2003による)
(3) ndonga21の中身を少し垂らし、miziを両手に持ってnyunguを
覗きこみながらmakokoteri
開始の唱えごと
(DB 3850-3851)ドゥルマ語テキスト
(4) kachiri22、buba23、muphingo、murandzeを細かくしたものを
mavuo24に加える
miziをnyunguの中に次々に入れていく
(5) muyamaを削って、nyunguとvuoに加える
(6) mavumba(kachiri, buba, muphingo, murandze, muyama を砕いて 粉末にしたもの)16をnyunguとvuoに加える (7) vuoに水を加える
(8) mukongo、mudurumaの布1をかぶって座る25 32シリング差し出す
(9) mavumbaでmukongoの頭に前後・左右にクロスする線を描く mavumbaをmukongoの胸にすりつける (10) mukongo、mavuoの液を三回すする
(11) ndongaのlulimi26を抜き、それでndongaの中身をmukongoの頭頂部、喉、 胸に塗る (12) 左手でmukongoの右耳をつかんでmakokoteri 鍋の前に座ったウマジに対する唱えごと (DB 3852-3855)ドゥルマ語テキスト (13) mukongoはnyunguの上に両手をかざし、両脚を延ばしてnyunguをはさむ 施術師、mukongoの両手、両脚の上にvuoの液を垂らし、頭にもvuoを注ぐ (14) 施術師、kasidi3に対するmakokoteri 女性の憑依霊ドゥルマ人カシディに対する唱えごと (DB 3856-3860)ドゥルマ語テキスト (15) mukongo、32シリングのうちの2シリングをvuoの中に落とす
3850 憑依霊ドゥルマ人の鍋、開始の唱えごと (ビスミラーイに始まる唱えごとの最初の文言は書き起こし担当者が省略した、他の唱えごととの違いはないとの理由で)
Chari: 私がお話しするとすれば、そう、私はウマジのためにお話しするのです。ウマジは病気です。それも昔に始まったものです。ウマジが(その病気を)昔に始めたとき、ウマジは「お前には癒やしの術の祖霊(k'oma ya uganga)をもっている(祖先のもっていた癒やしの術を継承することになっている)」と言われたのです。癒やしの術の祖霊ということで、私たちは鍋を置きました。鍋を置き、私たちは乳房を焦がし(鍋を火にかけて調理し)さえました。私たちは占いに行って、癒やしの術(を「外に出す」=彼女自身が施術師になる)までは、何をやっても救いにはならないと言われたからです。私たちは鍋をウマジのために置きに参りました。世界の住人(arumwengu=憑依霊全般)の鍋です27。 その鍋はウマジを完全に打ち負かしました。下痢と嘔吐でどうしようもありませんでした。しかし私たちは、あなたドゥルマ人のせいだと言われたのです。そしてたしかにあなたの仕業だったのでしょう。あなた、私はあなたがもともと仲間を嫌っていることを知っています。なのにあなたも他の憑依霊たちといっしょにされた。あなたは自分だけ別にしてもらうのが好きです。そしてあなただけにすると、ときとしてあなたは人の救いになることを何もしようとしない。
3851
C: 人々が言うことには「協力こそ力だ harambee ni nguvu」28と言うではないですか。あなたときたら、どこにいようとも、自分ひとりだけでいるのが好きだと。他の仲間の鍋には知らんふり、それどころかあなたはそれを台無しにして、結局その鍋が放棄されることになる。その結果、突然の下痢と嘔吐を引き起こし、トウモロコシの練り粥も食べられない。思い知るが良い、などとあなたは言う。私たちがやってきて、あなたドゥルマ人だけのための一束の薬(草木の根の束)を差し出す。ほらごらんなさい。彼女はすっかり健康です。ああ、私はわかりました。あなたこそ優先されるべきだと。そこで私たちはあなたの鍋の約束をいたしました。 今日がその鍋の日です。そしてこの鍋はつつがなく湯気を浴びられます。あの肝心のンゴマの日がやって来ても、ウマジが健康でありますように。私はあなたに鍋を、喜びの鍋を差し上げます。月の5日目29にンゴマを開催することをあなたにお告げする良き鍋です。(その日に)あなたにも(癒やしの)仕事を差し上げる予定でいます。なのにどうして今また私たちを驚かそうとなさるのですか。この者はどうしようもなく病気です。さて、今や私は何を望んでいるのでしょう。私はつつがなきことを望んでいます。さらに私はお金を目にすることを望んでいます。(この者が)癒やしの仕事から得るお金です。それこそが、(私がこの者に)癒やしの術を首尾よく差し出せたということです。プッ(唾液を吐く)。 同じくたくさんのつつがなきことを。これからもやって来る人が次々とお金を差し出しつづけますように。
3852 鍋の前のウマジの右耳をもって唱えごと
Chari: おだやかに、おだやかに、世界の住人の皆さま。世界の住人の皆さまに私は申し上げます。このような時間にお話しするつもりはありませんでした。さて、私はウマジのためにお話しいたします。ウマジはその父と母から生まれました。生まれたときには、神の被造物です。ムルングの人間です。しかしウマジはずっと昔から病気が始まりました。病気が始まり、発狂ということでは、果ては発狂もいたしました。私たちはあれこれ(治療を)調えてまいりました。ありとあらゆる鍋を置きました。でもカシディ(kasidi)3のせいだったのです。こうして私は憑依霊ドゥルマ人の鍋を置きに参りました。 でも皆さま、私はあなたがた世界の住人の皆さまにお話しいたしております。あなたムルング子神(mwanamulungu)、あなたこそ砦の主です。もしかしたらお客様もいらっしゃるかもしれません。それらの方々はあなたのお客様なのです。
3853
Chari: ムルング子神よ。憑依霊アラブ人30、バラワ人[^mbarawa]、サンズア31もごいっしょに。ブルシ32、ムクァビ人33、天上のキツィンバカジ34も池のキツィンバカジも、地下のペポコマ35も池のペポコマ。 ごいっしょに。あなたガラ人36、ボニ人37、ダハロ人38、コロンゴ人39、あなたコロメア人41。あなたドゥングマレ44、ジム45、キズカ46、スンドゥジ47、ドエ人48。ドエ人またの名をムリマンガオ49。あなた奴隷50、またの名をンギンドゥ人40。そこには、あなたデナ51とニャリ52、キユガアガンガ55、ルキ56とムビリキモ5、カレ72とガシャ73、レロニレロ74、プンガヘワ子神78もいらっしゃいます。 あなたディゴ人79もおられる。今日は、イキリク77もごいっしょに。皆さまにおしずまりくださいと申します。あなたジネ・バラ・ワ・キマサイ(jine bara wa chimasai80)も。同じくおられるのは、あなたゴロゴシ(gologoshi81)またの名をンガイ(ngai82)、ンガイまたの名をカンバ人(mukamba83)、カヴィロンド人(mukavirondo43)、マウィヤ人(mawiya84)、ナンディ人(munandi42)、マニェマ人(mumanyema87)。私は皆さま方におしずまりくださいと申します。ディゴゼー4とともにいらっしゃる、あなたムビリキモにも。 御主人様方、私たちは「御主人様」と申し上げに参りました。ウマジの身体に癒やしの術が望まれているのです。
3854
Chari: 先日、私たちは鍋を置きに参りました。憑依霊(nyama)に対して妖術返し(hudziphendula)をして、憑依霊の皆さまをご一緒にお返しした後で、鍋をお置きしました[^kuphendula nyama]。でもその鍋は失敗しました。なぜでしょう?それは彼女カシディがいたからです。カシディは自分だけが楽しめる鍋の湯気を浴びることを欲しています。さて、カシディには「お前にはまず癒やしの術uganga(を「外にだす」)ための(憑依霊全般を招待する)鍋を差し上げる。(後日、別個に)憑依霊ドゥルマ人の鍋に熱気にあたらせてあげる(ku-oha=湯気を浴びる ku-dzifukiza)」と申し、私たちは皆さま方、世界の住人のための(招待の)鍋を置きました。なんと憑依霊ドゥルマ人の方がより緊急だったのですね。おかげですさまじい下痢と嘔吐です。(主食の)トウモロコシの練り粥も食べられません。身体じゅうが粉々です。激しい目眩です。 こうして今日、私たちは鍋を置きに参りました。この鍋は他のどなたの鍋でもありません。憑依霊ドゥルマ人の鍋です。皆さま方どうかやってきて、どうしてわれわれにはわれわれの鍋が与えられないのだ、などとおっしゃらないでください。私たちはあの方(女性の憑依霊ドゥルマ人カシディ)だけに、あの方が心からお喜びになるように、その鍋を差し出します。ですが、私たちはそのあとに、たった2日間になってしまうかもしれませんが、3日間に、あるいは4日間になってしまうかもしれませんが、皆さま世界の住人の方々のために、あなたがたの小鍋(kadzungu)をご用意いたします。
3855
Chari: 通常の小鍋です。3つのカヤ(kaya tahu88)の小鍋です。招待の(ka kurongesha)小鍋です。(ウマジが)まさに「外に出される(kulavirwa nze)」ンゴマへの招待の鍋です。 しかしながら、今日は私たちは憑依霊ドゥルマ人のための鍋を置きます。彼らが喜ぶように。彼らにンゴマが開催されることを知ってもらえるように。私たちのンゴマです。御主人様、やってきて妬みあったりなさいませぬように。
3856 (カシディに対する唱えごと)
Chari: あなたカシディよ。カシディは頭をつかまれることはない、カシディは身体のどの部分をつかまれることもない(唱えごとの際に)。 あなたは大人、あなたは大人。あなたは3つのカヤ88の人。あなたは大人。あなたをつかんだりしたら、こいつらは私を軽んじている、とあなたはおっしゃる。だからあなたにはただ口でお話しするだけ。今日、今、私たちは長老の問題(大切な問題)をお話ししています。それはウマジについてのお話しです。 ウマジ(の病気)が始まったのは昔です。彼女はその体の中は困った問題だらけです。でもこの2ヶ月には苦労しました。私たちはウマジは死んでしまうのではないかと話していたほどです。こんどのンゴマのことも、すっかり私のなかから出てしまいました。私には下痢と嘔吐と食事ができないことから、ウマジはもう死んでしまうだろうとわかっていたからです。 私たちはあらゆる方面を探ってみました。そしてここカシディの場所にぶつかったのです。あなたのことです。あなた、あなた、いったいどうして自分の仲間をおどろかせるようなことをなさるのですか。
3857
Chari: 私たちはただ一括りの薬(束にした草木)を差し出しただけです。それまでにいろいろやりました。でも一括りの薬だけ、それがウマジを快方に向かわせました。練り粥も食べました。嘔吐もなくなりました。さて、彼女がそんなふうになったということは、(あなたにとって)願ったことが手に入ったというということなのでしょうか。いかがですか? こうして今日、私たちはあなたを畏れ敬いに参ったわけです。友よ。私たちはあなたを畏れ敬います。というのも、あなたは「あいつら、ろくでもない連中が鍋を与えられている。私には何も得られない」などとおっしゃるからです。人間とは、いっしょにいれば、一人ひとり食べ方は違っているものです。あなたときたら、自分ひとりだけで食べたいという。仲間が飢えて死のうと知ったことじゃない。 ああ、おしずまりください。私があなたに暴言をはいているとはおっしゃらないでください。今日は私は鍋を差し出しに参ったのです。鍋はあなたカルメンガラ(kalumengala2)、外の問題も内の問題もご存知だというあなたのものです。あなたは「私はカシディ、またの名をムルング・マランボ89。子供はきらいよ。着飾るのが好き。」とおっしゃる。
3858
Chari: あなたレロニレロ(rero ni rero=「今日のことは今日じゅうに」74)、またの名をマンダーノ(mandano=「黄色」6)、またの名をマシキーニ(masikini=「貧乏人」90)、またの名をムガイ(mugayi=「困窮者」91)。そしてまたの名を、あなたキシラーニ・クオネワ(chisirani kuonewa=「めったに見られない凶兆」)。あなたはさらにまたの名をマゲンデーロ(magendero=?92)、さらにまたの名をシャカ(shaka=「不安」、「疑念」)93。あなたがたの故郷94がゴブォ(地名)なのか、サカケ(地名)なのか、ニョンゴロ(地名)なのか、ルカカニ(地名)なのか、どこなのか存じません、友よ。あなたがたの故郷は山々で、大木だらけのあのカリマンジャロ。 さて、今日、私は申します。どうか降りてきて、鍋の熱気にあたりに来てください。山々の上から、降りてきてください。ミドリサンゴの木々95をなぎ倒し、ここまでいらして、ウマジとともに鍋の熱気にあたりに来てください。キリバシ山96の上から降りて、ウマジとともに鍋の熱気にあたりに遠路おいでください。 さて、友よ、おしずまりください(pore)。私はあなたに心安らぐ言葉(pore)を差し上げます。さらにたくさんのお仕事も差し上げます。なぜなら人は食べること、仕事をすることが好きだからです。今、私はあなたを鍋に歓迎いたします。この鍋には歌も伴います。とても素敵な歌ですよ。
3859
Chari: さらに、私は、これから家を出ようとする者(癒やしの術を求める客)が「ウマジのところに行こう」と言うよう望みます。その者がここに着くと、300シリング。家を出る者はウマジのところに行こうと言い、その者がここに着くと、200シリング。家を出る者がウマジのところに行こうと言い、100シリング。これらのお金は、皆さま方が仕事を与えられることによるお金です。そのお金が、ウマジに会おうとやって来るだろう人々から出てきますように。(そうなることによって)たしかにあなたのおかげだと、私たちにわかりますように。私は知っています。あなたカシディであることを。なぜならカシディはウマジの身体でたくさんのことをなさってきているからです。彼女を子無しのままにしていらっしゃることも。 あなたが彼女の腹を満たし膨らせたのは昔からでした。腰は断裂する。全身が壊れに壊れる。激しい嘔吐。彼女の腹の中からあの大量の大便そのものが出てくる。いったいウマジの腹のどこから出てくるというのでしょう。食事もしないのに、それでいて大量の大便がでるなんて。あなたは、自分がなんの役にも立たないカシディ97の持ち主だと、ご存じないのですか。 おまけに、あなた、唱えごとの際も、お話させていただいただけなのに、あなたはしばしば「私は叱責された」などとおっしゃる。もう、いいかげんにしてくださいよ、御主人様。
3860
Chari: 私は鍋を差し上げました。これは喜びの鍋です。この鍋が終わったら、やってきて別の鍋をいただきたいなどと言わないでください。この鍋が終わったら、世界の住人たちのための招待の鍋が参ります。それもまた同じく3つのカヤの鍋です。でも今、今日は、私はあなたにおしずまりくださいと申し上げました。どうか、私の友、御主人様。この鍋を受け取ってください。首尾よく鍋をお受け取りください。 ウマジに向かって C: さあ、ここに落としてちょうだい。この人ときたら、落とし方も知らないよ! ウマジ、2シリングを鍋の中に落とし入れる。