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最後通牒ゲーム(ultimatum game) チンパンジーとヒトとの違い 処罰を課すコスト / 義憤の感情 義憤感情の起源 幼児に見られる正義意識
前回レジュメ参照
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インセスト・タブーは女性の交換を命じる規則だとするレヴィ=ストロースの見解 交換が社会関係を作り出す なぜ交換にそのような作用があるのだろう 交換の既存のイメージ 経済的必要 何かを手に入れるための手段 経済的利得? 経済的意義を欠いた贈り物慣行 トロブリアンド島民の交換(贈り物のやり取り)についての マリノフスキーの観察 「もし誰もが事実上それをもっており、また同じ方法で入手しているのな ら、籠一杯の果物や野菜を与えたりすることに何の意味があろう。もし、 贈物をあげて、これがまったく同じものでしかお返しが出来ないのなら、 なぜ贈物をしたりするのだろうか」(マリノフスキ:205) 「贈物がいったい必要なのか、それとも役に立つのかなどと考えずに、 与えるがために与えるというのが、トロブリアンドの社会学の最も重要な 特徴である。」(213) アンダマン島民の事例(ラドクリフ=ブラウン) アンダマン諸島(ベンガル湾東部) 5500人(19世紀半ば)→23人(1953) 資料:アンダマン島民の交換実践 トロブリアンド諸島のクラ交易(マリノフスキー)Malinowski on Kula ソウラバ(ウミギクの首飾り)⇔ムワリ(白い貝の腕輪) 限定された期間のみ占有 遠征によって取得 他の島からの遠征者に対して手放す 交換されるから価値が生まれる/価値があるから交換される クラの主な目的は、実用性のない品物を交換することにあるのだから、必要に せまられておこなうものではない。クラは余分な粉飾をとりのぞいた、そのぎ りぎりの本質においては、きわめて単純なことがらであり、一見すると平凡で 退屈にさえみえるかもしれない。 結局これは、もともと装飾用につくられながら、決して日常の装飾としては使 われない二つの品物を、無限にくりかえして交換することにつきる。しかし、 ふたつの意味のない、まったく無用な品物をつぎつぎに交換するというこの単 純な行為が、部族間にまたがる大きな制度の土台となり、ほかの多くの活動を ともなってきた。 何千人という人びとを二人づつ組み合わせ、共同関係にまとめあげることを根 本としておこなわれる。この共同関係は一生つづくものであり、さまざまな特 権や相互的な義務をふくみ、一種の大規模な部族関係をなしている。 神話や呪術、伝統が、クラをめぐる一定の儀式の形式をつくり、原住民の心に クラの価値とロマンスのひかりを与え、この単純な交換への情熱を彼らの胸の うちに注ぎこむのである。
社会的連帯 交換は連帯を生む? eg. レヴィ=ストロースが挙げるフランス田舎町のレストランの光景 交換の危険な賭け 交換と贈与 交換/贈与:対立概念か? 贈与論(マルセル・モース) 交換は利得に動機付けられた経済的交換に先立って、相互的な贈与の形で 見られる 交換 =贈る義務 + 受け取る義務 +返礼の義務 利得計算とのせめぎあい 矛盾 見返りを期待しない行為(理念)/返礼がなかった場合の義憤(相手を違反 者としてとらえる) 贈り物に宿る「力」 ハウ
浜本 満, 1994,「交換:ただより高いものはないわけ」『人類学のコモンセンス:文化人類学入門』第8章
R・ドーキンス, 1991, 「ぼくの背中を掻いておくれ、お返しに背中をふみつけてやろう」『利己的な遺伝子』第10章 pp.264-300
B・マリノフスキー,1980(1922),「西太平洋の遠洋航海者」泉靖一編『マリノフスキー/レヴィ=ストロース』世界の名著71、中央公論社
M・モース,1973(1968),「贈与論」『社会学と人類学 I』有地亨他訳,弘文堂