適応マシンとしての生物 その行動を規定するプログラムを備えている ↓ 特定の環境世界で実行 ↓ うまくいけば、子孫を残す(自らの複製を作る)ことができる
ダーウィン型生物 行動プログラムは遺伝子レベルで供給 進化とは? 「キリンの首」 首の長さに変異(バリエーション)がある 首の長さは遺伝する ある環境のもとでは、首が長い方がより多くの子供を育て上げる 上で有利である(首の長い個体が生き残って子孫を残す確率が高い) ↓ 首の長い種 「カッコウの雛の恐喝」 カッコウの雛は捕食者を誘引できるほどの大声を張り上げる 大声を上げると里親がエサを与える確率が増す ↑ ↓ ↑ 大声を上げるカッコウの雛は生き残って子孫を残す ↑ ↓ ↑ 大声を上げさせる遺伝子の比率が増す ↑ 大声に反応して餌を与える里親が多い ↑ 泣き喚くカッコウの雛に余分のえさを与えなかったライバル里親たち よりも、多くの子供を無事に育てることができる ↑ 大声に反応して餌を与えさせる遺伝子の比率が増す (Tanaka & Ueda 2005 より)
スキナー型生物 遺伝的プログラム+学習によるプログラム <単純なオペラント条件づけ> 【スキナー箱】 スキナー箱に絶食させておいたネズミを入れ、レバーを押すとエサがもらえる ようにしておく→ ネズミはレバーを押すようになる <複雑なケース> 一次学習 特定課題の解決行動の習得 二次学習 学習のコンテクストの習得 【事例1】イヌを神経症にする実験 二つの刺激(たとえば円と楕円)について別々の反応 識別できないという事実の受容を拒むもの =識別のコンテクストとして学習してしまっている 正解を当てろ 常に違いを探せ 【事例2】ジャンプするイルカ オペラント条件付けのショーをイルカは理解したか 正解を当てろコンテクスト ↓ 正解はない。新しいことをしろコンテクスト 【事例3】ネズミに探索行動を止めさせるよう条件付けることは可能か 正解を探せコンテクスト 遺伝的にプログラムされ変更不可能
ポッパー型生物 外界のモデルを生成して、行動プログラムを試行 モデルと真の世界? c.f. 「逆光学」(S・ピンカー 2003) 自分の体のなかで起こっている状態変化にもとづいて、外の世界について 「想定」(構築)を行っている 適応(チューニング)実践の内部で検証 でたらめな構築(当て込みが成り立たない)→ことがうまく運ばない
ダニエル・C・デネット, 1997,『心はどこにあるのか』土屋俊訳、草思社
より第4章「心の進化論」pp.145-199
ダニエル・C・デネット, 2001,『ダーウィンの危険な思想:生命の意味と進化』山口泰司監訳、青土社
R・ドーキンス 2006(1976)『利己的な遺伝子』(日高敏隆他訳)紀伊国屋書店
G・ベイトソン, 1982(1979),『精神と自然:生きた世界の認識論』佐藤良明訳、新思索社
G・ベイトソン, 2000(1964-1971),「学習とコミュニケーションの階型論」『精神の生態学』佐藤良明訳、新思索社