歴史と想像力 植民地化の歴史の中で動いていた具体的な主体(エージェント) 彼らの意図や企て、行為はどのていどまで特定の想像力の図式によって 拘束されていたのか 植民地的想像力 未開/文明の二項対立に象徴される特殊な図式 近代化の想像力でもあった 想像力と現実 「認識」という用語をあえて避けてきたわけ 現実に先立つ図式にもとづく能動的認識=想像 能動的知覚 active perception (Neisser 1976) サルトルのグラフ 能動的認識であることの帰結 想像の現実化回路 人間にとっての環境世界の特殊性(ジンメル 1979) 物と自然世界:自らが認識されることを顧慮してその行動を変えたりしない 人と社会的世界:相手の認識に合わせて行動を変える「人間の間のいっさいの関係は、一方についての心像を他方の中に生じさせ、 そしてこの心像は、明らかに右の現実の関係と相互作用している。 すなわち、この現実の関係が前提を作り出し、この前提に基づいて一方の 他方についての表象があれこれと生じ、さらにこのばあいに正当とされる 真実性をもつのである。ところが、他方では諸個人の現実の相互作用は、 諸個人が互いに手に入れた心像に基づいてもいる。この場合精神生活の深 遠な次のような循環のひとつが横たわっている。すなわち、そこではある 要素が第二の要素を前提とするが、しかしこの第二の要素も右の第一の要 素を前提とするという循環である。」合わせ鏡効果(Taussig 1993) 今日のアフリカにおける想像の呪縛 否定的認知の現実形成力 国民国家形成/市民社会
G・ジンメル 1979『秘密の社会学』居安正訳、世界思想社
Neisser, U., 1976, Cognition and Reality, San Francisco: Freeman
Sartre, Jean-Paul 2004, The Imaginary, London & New York: Routledge
Taussig, M., 1993, Mimesis and alterity: a particular history of the senses, London & New York: Routledge
Ferguson, J., 2006, Global Shadows: Africa in the Neoliberal World Order, Durham and London: Duke University Press.